静電気と衣類との関係
冬、セーターなどを脱ごうとすると、「バリッ、バチッ!」と静電気を感じたことは誰にでもあるのではないでしょうか。
一方、夏は汗をかきやすく、温度・湿度も高く、Tシャツなどの綿・天然繊維の衣類を着ることが多く、重ね着することが少ないため静電気発生の大きな原因・摩擦も起こらないので帯電しにくく、静電気を感じることはほとんどありません。
静電気と衣類の関係 | |
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静電気と衣類はとても密接な関係なのです。
私たちが生活するうえで欠かせない衣類が静電気発生の大きな原因の1つなのです。
いま私たちが身に付けている衣料品のほとんどが、石油を原料とするナイロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維で作られています。
合成繊維製品は木綿、絹、麻などの天然繊維に比べて丈夫で、アイロンの手間も省け、とても便利なものですが、合成繊維製品を着ることで、衣類と衣類の摩擦・剥離により静電気が発生し、その発生した静電気が人体に帯電されていくのです。
さらに女性の方のほうが男性より静電気を感じることが多いようです。
女性は男性に比べて、冬はもちろん、夏でも下着、ストッキングなどのナイロンやポリエステル(合成繊維製品)などを身に付けることが多いためです。
昔は静電気を感じる人はいなかった? | |
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合成繊維製品がほとんどなかった戦前までは、静電気を感じる人は少なかったようです。
静電気を感じる人が多くなったのは1960年代に入ってからだといわれています。このことからも静電気と衣類の関係は深いようです。
戦前までの衣服は、綿、麻、シルク素材などの自然生地・天然繊維が主でしたので、適度に水分が含まれていて、静電気発生が少なかったのです。しかし戦後にナイロンが開発されてストッキングなどが女性に愛用されるようになってから、急速に静電気を感じる人が増えました。
またポリエステル素材など同じ素材同士の摩擦でも静電気は発生しますが、特に違う化学素材(合成繊維製品)の摩擦があると静電気は大きく発生することも分かってきました。
衣類の素材によってはプラスを蓄えたがる物もあれば、マイナスを蓄えたがる物もあります。
服を重ね着した時に、蓄えたい電極が違う素材の組み合わせだと(例えばマイナスが帯電しやすい肌着の上に、プラスが帯電しやすいシャツを着るなど)、プラスとマイナスが清算されて安定した状態になります。
しかし、それを脱ごうとする時に剥離が起こり、安定された状態が崩れ、双方とも突然大きくバランスを崩すことになります。そのとき人間は静電気という名の「バリッ、バチッ!」を感じることになるのです。
合成繊維は体にも悪影響? | |
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綿だけの衣類・天然繊維と合成繊維の衣類を着用したときでは、合成繊維のほうが急激に血糖値が上昇することが分かっています。
これは静電気発生により交感神経が刺激され、アドレナリンが分泌されるためです。
アドレナリンは副腎皮質から分泌されますが、静電気が発生すればアドレナリン分泌が増えるのです。
また静電気が発生すれば体内のビタミンCが通常より多く使われ、血中のビタミンC不足となります。
さらにカルシウムが減少することも分かっています。
ビタミンC不足は抵抗力を減らし、風邪などの病気にかかりやすくなりますし、カルシウム不足は骨や歯への影響、イライラ・倦怠感にもつながりますので、たかが静電気と放っておくと健康的にとてももよくないのです。
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